ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社

Project
Story

01

モバイルデバイス開発部門メンバーの写真

01

ソニーのCMOSイメージ
センサーを選ぶメーカーに、高い付加価値で応える。

ソニーはCMOSイメージセンサーの市場で世界トップシェアを獲得している。その背景には、世界中のカメラやスマートフォンに、ソニー製のイメージセンサーを供給してきたという実績がある。お客さまが求めるのは、ソニーの技術力を存分に反映させた高い性能と品質。量産開発と製造を担う当社は手掛ける開発案件のすべてに全力で向き合っていく。

Scroll

Member

久保明美の写真

2016年入社
モバイルデバイス開発部門(デバイス開発)

久保 明美

入社直後からデバイス開発に関わる部署に配属される。その2年後にジョブローテーションでプロセス技術開発に関わる部署へ異動。そして2年後に再びデバイス開発に。帰任早々、大手顧客向けのイメージセンサー開発案件を任された。

中﨑洋平の写真

2006年入社
モバイルデバイス開発部門(デバイス開発)

中﨑 洋平

入社から15年にわたりデバイス開発に関わる。試作開発から量産まで一貫して携われる現部署に愛着とやりがいを感じている。今回のプロジェクトでは統括係長として久保を主担当にアサインし、フォローを行いながら、その活躍に期待して社内コンペでもある注力開発フォロー案件にエントリーを勧めた。

佐々木花菜子の写真

2020年入社
モバイルデバイス開発部門(デバイス開発)

佐々木 花菜子

2020年に新卒入社した若手エンジニア。現部署に配属された直後から久保がチューターとしてフォローに付き、手厚く指導を受ける。当初は分からないことばかりだったが、久保の奮闘ぶりを間近で見て、最先端のイメージセンサー開発の醍醐味を肌で感じることができた。

※2022年2月取材当時所属

Episode 01

挑戦する機会を増やしてくれる外販

イメージセンサーを外販する際は、供給先となるメーカーの独自の製品企画に合致するように、要求仕様に合わせて追加開発を行うことが多い。今回の久保が担ったプロジェクトもその一つ。

中﨑「途切れることのない受注案件に対して、開発実績の豊富な社員だけを配置していくのには限度があります。当社では、社員自ら課題に向き合い、解決することでそれぞれの成長を促す方針を取っていますので、今回のプロジェクトは久保さんにデバイス開発業務のリーダーを任せることになりました」
久保「入社して最初に配属されたのは今と同じデバイス開発に関わる部署でしたが、ジョブローテーションがあって2年で異動し、直前までプロセス技術の開発に携わっていました。それが、今の部署に戻ってくるなり、いきなりの重要な任務で驚きましたが、中﨑さんをはじめとする上司・先輩の存在は心強かったです。自分のキャリアを考えると大きなチャンスだと思いました」

久保明美の写真

Episode 02

求められたのは
数段階上の性能

顧客は開発済のソニーのイメージセンサーを安価に調達したい訳ではない。出荷した後も十分な競争力を持つ仕様を求めるケースが大半だ。そのため開発が始まる前の時点で、同じ価格帯の製品より数段階上の性能で開発することを約束する必要がある。今回のプロジェクトでは、特にフレームレートを大幅に上げることが求められた。フレームレートとは、一定の時間に写すことのできるコマ数。フレームレートを上げる=コマ数を増やすことで、連続撮影の中から撮影者が本当に撮りたかった“瞬間”を選び出すことができ、スーパースローモーション撮影も滑らかになる。

久保「フレームレートを制御するのはロジック回路ですが、センサー側にも対応する能力を持たせる必要がありました。例えばフレームレートを上げると画素の動作に余裕がなくなってしまうため、特性低下を引き起こすことがあります。そこでプロセス開発や品質測定の担当者と連携しながら、どうすれば求める特性が出るのか検討と検証を重ねていきました」

中﨑洋平の写真

Episode 03

訪れた危機に
社内のエキスパートが集結

久保は新たな構造や様々なプロセスの設定を試し、求める特性に近づけていく作業を繰り返していった。その甲斐あって、開発上の課題がかなり解消された。ところが出荷・量産に移行する直前になって、重大な問題が発生した。ある現象から、目標とする特性が得られないという思いもよらなかった事態が発覚したのである。そこで久保たちは、プロジェクトの垣根を超えて社内から様々な知見をもつエキスパートを集めることで乗り切った。

久保「問題が発覚した直後、中﨑さんに状況報告したところ、この現象に詳しいエキスパートたちがすぐに各部署から駆けつけてくれました。そして有効な意見が数多く寄せられたことで解決策が見つかったのです」
中﨑「当社では、このプロジェクトに限らず、何かあったら全社を挙げて万全のフォローを行います。そうした中から若手のエンジニアは多くを学び、結果を残し、自信をつけていくのです」

佐々木花菜子の写真

Episode 04

乗り越えた危機が社内表彰に繋がる

危機を乗り切り、開発を終えて出荷に至ったイメージセンサーは、すでに顧客メーカーのスマートフォンに搭載されている。世界中の人々が日々の暮らしの中で撮影する膨大な数の写真や動画に、そのイメージセンサーの性能が貢献している。

中﨑「プロジェクトが始まった時、久保さんに社内表彰へのエントリーを進言しました。必ずやり遂げると確信していたからです。そして予想通り、いくつもの壁を乗り越えてプロジェクトを成功に導き、久保さんをリーダーとするプロジェクトは部門で金賞を獲得しました」
佐々木「その頃、新入社員として入社した私は、プロジェクトで多忙な久保さんにチューターを担当してもらいました。数多くの課題を抱え、その解決に奮闘しているのを間近で見て、仕事に対するその熱量に感銘を受けました。将来は久保さんのようなエンジニアになりたいと思っています」
久保「一つの製品タイプを開発する全体の流れをつかめました。また、新しいイメージセンサーの構造に対する理解も進みました。納期も短く、大変でしたが、この経験を活かして、気持ちは次の製品開発に向かっています」

モバイルデバイス開発部門メンバーの写真