ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社

Interview 02

重要な役目をこなす節目で、
設計・製品技術から見た
ものづくりの楽しさを感じる。

Interview

浦瀬優佳の写真
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2002年入社
モバイルデバイス開発部門

浦瀬 優佳

大学院で数学を専攻。在学中に日本のものづくりの歴史についての特別講座を受けた影響もあり、エンジニアを志向する。ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社(以下、SCK)への入社理由は、ソニーが創業当初から掲げてきた「人がやらないことをやる」という理念に共感し、ものづくりに挑戦できると考えたから。
※2022年2月取材当時所属

Career Step

  • ロジック回路設計担当
  • ゲーム系LSI担当
  • セルラー用イメージセンサー担当

ゲーム機用画像処理LSIの
回路設計を担う

1 Year

大学院で応用数学を専攻していた私は、理論を極める学術方面よりも、ものづくりに携われるエンジニアを志向し、SCKに入社しました。SCKを志望したのは、ソニーに「誰もやらないことに挑む」という風土が息づいていたからです。そして入社し、LSIの設計部署に配属されました。希望通り、ゲーム機の進化に挑戦し世界中でヒットしていたゲーム機の開発に不可欠な「ものづくり」に携わったのです。具体的には、GPUから受けた信号をモニターに画像として表示するための変換を行うLSIの回路設計を任され、当時の次世代ゲーム機用のLSIを担当しました。入社当時は電気回路に関するスキルはまったく持っていませんでしたが、学ぶ環境は充実しており、エンジニアのキャリアを歩む基礎を、しっかりと固めることができたと思います。

担当プロジェクト・業務
ゲーム機画像処理LSIの設計
育成プログラム・研修制度
業務に直結するような、ロジック設計の基礎や、設計に必要な各ツールの研修は、随時受講し、設計知識を持っていなかった私にとって即効性がありました。

製品技術に異動。
産休・育休後もキャリアを発展させる

4 Year

2005年に所属部署が変わり、LSI設計からLSI製品技術に異動しました。そこにいた10年間で、当時の次世代ゲーム機に製品技術の立場で関わっています。長期にわたって量産されるゲーム機では、新規機種が発売されても搭載されるデバイスの開発がストップするわけではありません。製品のライフサイクルの終盤まで、製造コストを抑制するために内部システムの効率化を図り、そのための各種デバイスの改良が続くのです。そのため、搭載されるコアLSIの電気的特性を評価し、量産選別環境(量産に向けて品質と歩留まりに関する評価を行う環境)の立ち上げを任される製品技術の役割は、ものづくりの最終段階における重要業務であることを実感しました。
また、この部署に在籍していたときに、第1子と第2子を出産し、それぞれ産休と育休を取得しています。復職直後は技術の第一線から少し離れた業務を担当することになりましたが、上司には以前の業務を希望し、キャリアを継続したいという方向で話をさせていただきました。SCKは福利厚生の制度が整い、ワークライフバランスの取りやすい風土があります。社員のキャリアデザインを積極的に支援してくれるので、ライフイベントと仕事を天秤にかけて妥協しなければならないということはありません。

担当プロジェクト・業務
ゲーム機コアLSIの製品技術
(試作品評価・量産立ち上げ)
育成プログラム・研修制度
技術的な研修以外にも、問題解決の各手法・英語研修など、他部署との関わりが多い製品技術にいることを意識して、ヒューマンスキルの向上にも努めました。
浦瀬優佳が話す様子
14 Year

複数製品を担当する中で
新製品の量産環境立ち上げに挑む

ゲーム機に搭載されるLSIに関わる期間が長かった私ですが、2015年に現在のスマートフォン向けイメージセンサーの製品技術に関わる部署に異動することになりました。こちらに移ってきて、スケジュール感の違いに驚きました。新製品の発表間隔が短いスマートフォン。その上、イメージセンサーの進化も目まぐるしく、製品技術の開発業務もとても短期間だったのです。それでも、試作品が初めて出てきたときに行うイメージセンサー特有の「画出し」と呼ばれる動作確認では、いつも心が躍ります。期待通りの画像が撮れるかどうか測定器のデータを確認する瞬間に、ものづくりの醍醐味が集約されています。
この仕事に自信がついたのは、2017年にソニーが新規画素製品を開発したときの製品技術業務をやり抜いたことです。新規画素だけに量産選別環境の立ち上げは難しい上、他社に先駆けて新規画素を世に送り出そうとしていたことでスケジュールも厳しく、さらに他にも複数の製品の立ち上げを行っている状況でした。そこで、どの製品の何の業務を優先し、各環境のどこを流用することができるかを、事前に深く検討しました。業務の効率化を図るに当たっては、過去の設計経験も活かしました。そうした取り組みの数々が功を奏し、無事に量産を前倒しすることができました。ソニーは2層トランジスタ画素積層型という画期的なイメージセンサーを発表しましたが、今後もこのような先進的なイメージセンサー開発に製品技術という立場で関わり、ものづくりのやりがいを実感したいと思います。
また、通常業務に加え、SCK社内を横断して全社員の活躍推進を目指すプロジェクトにも参加しています。SCKは今でも十分働きやすく、活躍のチャンスが多い会社だと思いますが、「もっと良く出来るところはないか」と考え続ける改善志向はSCKらしい文化だなと思います。世界中の人々の暮らしを豊かにする半導体製品を絶え間なく次々と生み出してきたのも、こうした現状に満足せずに理想を追求し続けるマインドが、社内の隅々に満ちているからなのかもしれませんね。

担当プロジェクト・業務
スマートフォン向けイメージセンサーの製品技術
全社員活躍推進プロジェクト
育成プログラム・研修制度
技術研修・ヒューマンスキル向上のための研修も適宜受講していますが、各リーダー研修・キャリア研修は、新しいことを学ぶだけでなく、今後の自分に対して仕事のスタイルを振り返るきっかけとなっています。